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「スパイの首都」の入口と出口 映画ロケ地でめぐるドイツ・ベルリン②

ブリッジ・オブ・スパイ Bridge of Spies

 スティーヴン・スピルバーグ監督、マット・チャーマン&コーエン兄弟脚本、トム・ハンクス主演と豪華な顔ぶれで話題を呼んだ 『ブリッジ・オブ・スパイ』(2015)。冷戦時代のスパイ・捕虜交換で米側の交渉人だった実在の人物、ジェームス・ドノヴァンを描いた作品です。本作でジェームズが初めて挑む交渉、交換対象はアメリカで捕らえられたソ連のスパイと、ソ連で撃墜された米偵察機のパイロットでした。

 交渉と交換の場所は東独の東ベルリン。ソ連のバックアップを受けて建国された東独は事実上の「衛星国」であり、東側と西側の接触地点として利用されました。スパイ交換にかけてはまさに最適の場所といえるでしょう。このグリーニッケ橋は本作タイトルにある「スパイの橋」として、実際にスパイ交換が行われていました。

現在は車両が通行する普通の橋ですが、脇には当時の写真と解説のプレートが設置されています。写真撮影の際は車に注意(写真:goo映画編集部)

 ベルリン郊外、ポツダムに近いヴァンゼー駅からバスで約15分。ハーフェル川にかかるグリーニッケ橋は当時、西ベルリンの西の外れに位置していました。このため、東西に伸びる端の西側が東独、東側が西独です。対象者を橋のたもとに連れ、次に中央へ歩かせて交換するスタイルは、実際の写真やフィルムに残されています。『ブリッジ・オブ・スパイ』の撮影は2014年。現地紙の報道によると紙製の人工雪で覆われていたそう。

西ベルリン側からの眺め。見学後は路面電車でポツダム駅へ出ることができます(写真:goo映画編集部)

 東ベルリン側に建つ屋敷「ヴィラ・シェーニンゲン」は当時、交換を待つスパイたちが控え室として利用したそう。現在は博物館となり、『ブリッジ・オブ・スパイ』にも登場した橋の上の東独国章などが展示されています。もちろん当時の実物です。また、東独家庭のリビングを再現したスペースはかなりのクオリティ。

 併設のカフェでは2018年W杯のパブリックビューイングが行われていたそう。「スパイの橋」のたもとで沸く歓声。当時は到底考えられなかった状況に、時の流れを感じます。

グリーニッケ橋 Glienicker Brücke & ヴィラ・シェーニンゲン Villa Schöningen WEB
住所 Berliner Straße 86, 14467 Potsdam

スパイの足跡はまだまだたくさん!

 これまで多数の映画やドラマ、小説に登場したMI6こと英国情報局秘密情報部(SIS)。実際のオフィスはベルリンのウンター・デン・リンデン通り沿いにありました。現在は何の変哲もないビルですが、ひそかに萌える人はいるはずのスポットです。

地元の人もほとんど知らないため、写真を撮っていると「なんでこんな場所を?」という目で見られます(写真:goo映画編集部)

 ベルリンのスパイをもう少し学びたくなったら「スパイ博物館」へどうぞ。元「スパイの首都」ですがオープンは2015年と遅く、当時は「やっとできた」「いままでなかったのがおかしい」との声もありました。

「ドイツ・スパイ博物館」でのオススメは東西ベルリン内のスパイ拠点が一覧できるインタラクティブマップ。控えめに言っても多すぎます(写真:goo映画編集部)

 盗撮・尾行などのスパイグッズやスパイ関連事件の説明パネル、東西ベルリンのスパイ関連スポットを示すインタラクティブマップなど読ませる展示が多数。『ブリッジ・オブ・スパイ』でテーマになったグリーニッケ橋スパイ交換のミニチュア模型も必見です。徐々に展示物が増え、ついには赤外線レーザーをくぐるコンセプトの脱出ゲームも登場しました。タイムを競う形式で、子どもたちに人気です。また、ミュージアムショップにはスパイ関連書籍やスパイグッズが。元「スパイの首都」ではいま、スパイが立派な観光資源になりつつあるようです。

ドイツ・スパイ博物館 Deutsches Spionage Museum WEB
住所 Leipziger Platz 9, 10117 Berlin-Mitte
営業時間 月~日 10:00~20:00 無休

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