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オーナーはカンヌ公認写真家! 古民家カフェ&写真館「ケープルヴィル」でフランス気分

【新型コロナウイルス流行状況に応じ、営業時間および営業形態は随時変更される可能性があります】

 東京の下町情緒が味わえる人気エリア・谷根千(谷中・根津・千駄木)。古民家をリノベーション したカフェの激戦区の中で、異彩を放つのがフォトスタジオを併営する「ケープルヴィル」だ。

 経営者はカンヌ国際映画祭など海外映画祭で活躍している写真家・若山和子さん。若山さんによるポートレート写真撮影に加え、若山さんが約18年暮らしたフランスを中心としたカルチャーイベントも多彩な「ケープルヴィル」は、地域における文化交流の場となっている。

オーナーで写真家の若山和子さん(撮影:中山治美)

1階カフェではフランスの家庭料理を

 観光スポット・谷中銀座商店街にも程近い路地裏に、フランス国旗を掲げた古民家がある。それが「ケープルヴィル」。

 1階が健康を考えた食材を使った欧州料理が味わえるカフェで、2階が写真館。戦後に建てられた築70年越えの古民家をリノベーションし、2013年にオープンした。レトロだけど採光が降り注ぐ大きなガラス戸に、古ダンスに並ぶ書籍や雑誌、小物たちからはフランスの香りが漂う。

大きなガラス戸から日が差し込むと気分もゆったり(撮影:中山治美)

 人気のデリランチプレートは月替わりでローストオニオンのキッシュやカレーのフムスといったフランスのお惣菜が並び、ワインが進みそうなメニューで、谷根千にいることすら忘れてしまいそう。

左/月替りのデリランチプレート。自家製ドレッシングのサラダも素敵 右/ナチュラルスイーツも堪能。ミニスイーツの盛り合わせ「カフェ・グルマン」(撮影:中山治美)

 「シェフは2、3人いるのですが、メニューを考案しているのは私です。どれもレシピのあるメニューですけど、フランスに18年も住んでいたから、味は舌が覚えていますよね。どれも家庭で普通に食べられている料理です」と若山さん。カフェ経営は初心者だったが、今やワインソムリエとチーズのプロフェッショナルの認定を受けたその道のプロだ。

カンヌで唯一の日本人フォトグラファー

 若山さんはもともと、今はなき日本ヘラルド映画国際部出身。取材のアテンドなどを通して世界の気鋭の監督や俳優と触れ合っていくうち、みずから創造することに興味を抱いた。退社して、アメリカ・ボストン美術館付属大学に留学して写真を専攻。その後、欧州の方が向いているのではないかという講師のアドバイスを受けてフランスの国立美大に編入した。

 卒業後は、映画会社時代の知人から国内外アーティストのポートレート撮影などの依頼を受けてプロに。中でもキャリアを磨いたのがカンヌ国際映画祭。日本のメディアに掲載される現地の写真の多くは、若山さんによるものだ。

店内にあるたくさんの本や雑誌。若山さんの撮った写真もいっぱい!(撮影:Avanti Press)

 世界最大級の映画の祭典といわれる同映画祭は、出品だけでなくマスコミのハードルも高い。プレスは執筆する媒体の影響力や発行部数、さらに実績によってパスのランクが決められて、会見も試写もランク順による入場となる。

若山さんの作品ファイルはお店で見ることができる(撮影:Avanti Press)

 カメラマンも同様で、現在、若山さんはオフィシャル・フォトコールとレッドカーペットの両方に参加できる日本人唯一のカメラマンであり、さらにレッドカーペットでは最前列で撮影できるポジションを得ている。これは結婚して出産した後も、幼子を親族宅に預けながら1995年から欠かさず同映画祭に通い、実績や信頼を重ねてきた若山さんが切り拓いた道だ。

 「最初の頃は、フォトコールには参加できても、レッドカーペット(の撮影)はなかなか許可を得られませんでした。そもそもアジア人は、自国の作品の時は入れてもそれ以外は認めてもらえない。

 ある年、『国際映画祭を謳っているのに、アジア人のカメラマンが入れないのはおかしいのではないか?』とカメラマンを統括している部署のトップにクレームを言いに行ったのです。すると『それもそうだね』と考えてくれて(笑)。以降、レッドカーペットに入れてもらえるようになりました」

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