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【映画で仮想旅行】映画の都の正体は? LA舞台の映画でハリウッドの軌跡を観る①

2. ハリウッドの代名詞シュライン・オーディトリアム『スタア誕生』

 一方の『スタア誕生』(1954)は、往年の人気俳優ノーマン(ジェームズ・メイソン)と駆け出しの歌手エスター(ジュディ・ガーランド)の恋と入れ替わっていく名声がもたらす悲喜こもごもを描いたミュージカル映画。

 冒頭とクライマックスの両シーンで、エスターがチャリティ・パフォーマンスを披露する舞台となるのが、1926年に改築されたロサンゼルスのダウンタウンにある大劇場「シュライン・オーディトリアム」です。

シュライン・オーディトリアム(写真提供:Avanti Press)

 ここではアカデミー賞からグラミー賞、エミー賞、米俳優組合賞(SAG賞)の授賞式など、さまざまなレッドカーペット・イベントが行われてきました。まさにハリウッドの代名詞といえる場所です。

【60〜80年代】映画学校卒業組の花咲くニュー・ハリウッド

 1960~1980年代は、映画の専門学科のある大学を卒業したフィルムメイカーたちが、想像力豊かな物語展開や実験的な撮影方法、奇想天外なキャラクター作りで、ヒット作を放ちまくったエキサイティングな時代。「ニュー・ハリウッド時代」とも呼ばれています。

1. 『E.T.』の撮影は老舗スタジオで

 ニュー・ハリウッド時代の代表選手といえば、スティーヴン・スピルバーグ。そして代表作は『E.T.』(1982)でしょう。

 地球外生命体の1人であるE.T.と不思議なつながりを築く少年エリオット(ヘンリー・トーマス)が、科学の授業中に大量のカエルを解き放つ場面は、あまりにも有名です。このシーンのロケ地は、ロサンゼルスの観光地サンタモニカから少し内陸に入った位置にあるカルバーシティのカルバーシティ高校。同作では、老舗のカルバー・スタジオでセット撮影が行われたため、近くの学校が選ばれたのかもしれません。

 ちなみに同シーンでは校長先生役としてハリソン・フォードがカメオ出演する予定(で撮影済)でしたが、本編からはカットされたという、ファン心をくすぐる贅沢トリビアも。

カルバーシティのサイン(Albert/stock.adobe.com)

 ビバリーヒルズやサンタモニカにも近いカルバーシティは、不動産王のヘンリー・カルバーが1917年に開発した町。カルバーは、トーマス・インス監督を招き、カルバー・スタジオを建設しました。15年ほど前までは治安が懸念されるエリアでしたが、現在はAppleやAmazon、HBOなどが進出。ソニー・ピクチャーズのスタジオがあることでも有名です。

2. グリフィス天文台で『ロジャー・ラビット』

 80年代に公開されたロサンゼルスが舞台の映画としては『ロジャー・ラビット』(1988)も外せません。アニメーション・キャラクターと実写俳優の共演という意味で、ハリウッド映画の技術面に大きな影響を及ぼした作品です。

近年、ハリウッド関係者が多く移り住んでいるシルバーレイクに近いハイペリオン・ブリッジや、多くの映画の舞台となったグリフィス天文台、グリフィスパーク・トンネルなど、印象的なスポットがいくつも登場します。

実際はグリフィス天文台へと続くトンネルですが、『ロジャー・ラビット』ではトゥーンタウンへの入口でした(PIXTA)

 グリフィス天文台では、『理由なき反抗』(1955)、『ターミネーター』(1985)、『ラ・ラ・ランド』(2017)ほか、さまざまな名作、ヒット作が撮影されています。

<次回はブロックバスター&タランティーノが台頭した90年代、現在に続く2000年代をご紹介します!>

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