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【映画で仮想旅行】映画の都の正体は? LA舞台の映画でハリウッドの軌跡を観る①

 映画の都・ハリウッドといえば、ロサンゼルスを代表する観光スポット。でも、ハリウッドっていったい何のこと? 方角がついた地名(ウエスト・ハリウッド&ノース・ハリウッド)はありますが、「ハリウッド」だけの地名は存在しないことをご存知でしょうか?

ハリウッドといえば「ハリウッドサイン」(demerzel21/stock.adobe.com)

 ハリウッドとは、ロサンゼルスでの映画ビジネスと、それを動かす人々を指す言葉。では、そのハリウッドはどのようにして生まれたのか。アメリカ映画史とロサンゼルスが舞台の名作映画を通して、その軌跡をたどってみましょう。

【50年代】意欲的な作品が続々登場

 アメリカ映画史における1950年代とは、テレビの台頭により、それまでの黄金期にかげりが見えると同時に、意欲的な作品が続々と作られた時代です。

 その時期を代表するロサンゼルス舞台の映画と言えば、『サンセット大通り』(1950)と『スタア誕生』(1954)。ともに、スタジオ・システム、映画業界のさまざまなポジション、スターの栄枯盛衰など、ハリウッドを象徴する要素が詰まっており、まさにロサンゼルスでしか撮ることのできない作品です。

1. 人気スターが撮影所に通う『サンセット大通り』

 ビリー・ワイルダー監督による『サンセット大通り』(1950)は、過去の栄光を忘れられない往年の大女優ノーマ(グロリア・スワンソン)と売れない脚本家ジョー(ウィリアム・ホールデン)のいびつな関係を描いたフィルム・ノワール。

グロリア・スワンソンの鬼気迫る演技『サンセット大通り』

 警察から追われるジョーが、ノーマの豪邸の敷地に迷い込むシーンで、標識ごと映る通りが「サンセット大通り」(サンセット・ブルバード)です。サンセット・ブルバードは、劇場やバー、ライブハウスが並ぶウエスト・ハリウッドの喧騒から、多くの映画スターや大御所が住むビバリーヒルズ、ベルエアという高級住宅地を抜け、セレブに人気のビーチタウンまでつながる、まさにハリウッドの背骨ともいうべき存在。

サンセット大通り(サンセット・ブルバード)(Gabriele Maltinti/stock.adobe.com)

 ちなみにもう2ブロック北側には、「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム」などがあるロサンゼルスで最も有名な観光スポットが集まるハリウッド・ブルバードが通っています。

 また、自分がまだ絶頂期にあると思い込んでいるノーマが、颯爽と出かける映画スタジオは、当時のハリウッドを仕切っていた当時のメジャー・スタジオのうちのひとつで、同作の製作・配給元でもあるパラマウントです。メジャー・スタジオには他にMGM、FOX、ワーナーがありました。

パラマウント・ピクチャーズ・スタジオ(fannyes/stock.adobe.com)

 スタジオ内のシーンでは、パラマウントとつながりの深いセシル・B・デミル監督が本人役でカメオ出演しています。

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