ツイート シェア

【映画で仮想旅行】日本映画にも! 鉄道登場映画で観る台湾の変化②

 そこはかとない旅情をかき立てる鉄道。なかでも、ノスタルジックなたたずまいが魅力的な台湾の鉄道は、日本との縁が深いのです。日本統治時代の歴史的建造物を見ることができるほか、日本映画のピンチを救ってくれたこともあります。今回は映画の主人公になり切って、車窓から台湾の移り変わりを眺めてみましょう。

心残りをはらす忠孝復興駅『ブエノスアイレス』

 都市開発による変化は、どこの街でも同じ。その変遷も映画はとらえています。ウォン・カーウァイ監督『ブエノスアイレス』(1997)は、腐れ縁カップルのウィン(レスリー・チャン)とファイ(トニー・レオン)がやり直すためにアルゼンチンへ向かう話ですが、ラストは唐突に台湾へ飛びます。

 どうも製作過程で紆余曲折あった模様で、途中から2人の物語に世界中を放浪しているチャン(チャン・チェン)が登場。バイト先で出会ったファイとチャンは交流を深めますが、チャンはまた別の場所へと旅立ってしまいます。心残りがあったのか、香港に帰国する前にファイが立ち寄るのが、チャンの両親が営む台北の屋台。

チャンの両親が経営している屋台のある遼寧街

 結局、チャンには再会できず。夜市近くの台北捷運(台北MRT)忠孝復興駅から木柵線(現文湖線)に乗って、ラストは先頭車両から夜の台北の街を見るファイの姿で終わります。

ドラマチックな高架線路(Richie Chan/stock.adobe.com)

 ブエノスアイレスから台北へと移っても、変わらぬ人の営みがあることを示唆しているとも取れますが、本作が撮影されたのは1996年の台北MRT開業直後。いち早く話題の地下鉄で撮影したのは、大人の事情もあったのかもしれません。

台湾の新たな一面を象徴?『ハーバー・クライシス 湾岸危機』

 2008年に誕生した高雄捷運(高雄MRT)美麗島駅の世界最大級ステンドグラス・アート「光之穹頂(光のドーム)」を風景に生かしたのは、『ハーバー・クライシス 湾岸危機 Black & White Episode 1』(2012)。ビルが立ち並ぶ湾岸都市・ハーバー・シティを舞台にしたポリスアクションで、ハリウッド大作並のド派手アクションが台湾映画界の新たな挑戦を感じさせてくれます。

色鮮やかな巨大ステンドグラス・アート(nicholashan/stock.adobe.com)

 熱血感ありすぎる新人刑事ウー(マーク・チャオ)と、成り行きでコンビを組む事になったチンピラのシュー(ホァン・ボー)が、謎の美女ファン・ニン(アンジェラベイビー)を追って迷い込むのが美麗島駅。アーティストのナルシサス・クアグリアータが手がけたステンドグラスの鮮やかな色がスクリーン広がり、近未来感のある本作のイメージにピッタリ。撮影は『ミレニアム・マンボ』と同じく李屏賓(リー・ピンビン)。ここでも光の取り入れ方が絶品です。

関連記事