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【映画で仮想旅行】北欧に宇宙!? ハリウッドSF映画で観るアイスランドの絶景 ①

 人口約35万人の小国、アイスランド。2004年から2019年にかけて3つの世界遺産が登録されたため観光立国となり、独自路線を貫く社会システムとあわせて世界の注目を集めています。世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数ランキングでは、なんと10年連続の1位。きらりと輝く北欧の島国です。

 そして実は、ハリウッドのSF大作に欠かせない国でもあります。2009年に映画やドラマの撮影に対し、さらなる税優遇措置が表明されたこともあり、2012年頃からハリウッドのSF大作がこぞってロケーション撮影を行うようになりました。そこで今回は「地球外の星」を表現できる特別な景色を映画でめぐってみましょう!

『プロメテウス』では死の星LV-233に

 リドリー・スコット監督が、『エイリアン』(1979)の前日譚として企画が始まり、実際その“DNA”も強く感じられる作品『プロメテウス』。 “死の星”と呼ばれるに至る惑星「LV-223」として、アイスランドは登場しています。

 種の起源を探究する研究者たちは、未知の惑星にその切っ掛けを見い出し、宇宙へと旅立ちます。彼らを乗せた宇宙探査船プロメテウス号が降り立ったのが、惑星「LV-223」こと、アイスランドのヘクラ活火山を臨む荒野です。

 コールドスリープから目覚めたばかりなのに、意気盛んな研究者たちは「クリスマスプレゼントを開けずにいられるかっ!」と探索に出かけます。『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』(2009)でリスベットを演じたノオミ・ラパスが主演ですから仕方ありません。

 いやあ、でも知らぬは君たちばかりなり。彼らの行動は、いわゆる“エイリアン”の恐怖を何度も目の当たりにしてきた観客の神経を、間違うことなく逆なでしてくれます。

荒野から臨むヘクラ活火山(pus Mutus/stock.adobe.com)

 アイスランドは火山によって形成された国でもあり、その数は約130! そのうち活火山は30以上にのぼり、現在も時折噴火を起こしています。2010年には、エイヤフィヤトラヨークトル火山の大噴火が一帯の航空便を欠航に追い込みました。ただし、人口密度の低さが幸いして、噴火による人的被害はほとんど出ないそうです。

 さて、『プロメテウス』にはもう一カ所、デティフォスの滝が登場します。それは、人型の異星人らしき生物が、自らの体を溶解し、そのDNAを大地とミックスしようとする冒頭の場面。まるでモーゼが割った『十戒』(1956)の滝のようにも見えるこのシーンは、世界遺産に指定されたヴァトナヨークトル国立公園の中にあります。

異星人が自身のDNAを大地に溶かすデティフォスの滝(p_rocha/stock.adobe.com)

 国土の14%を占めるヴァトナヨークトル国立公園は、ヨーロッパで2番目に大きな国立公園です。また、2019年に登録されたばかりの世界遺産でもあります。メインはヨーロッパ最大の氷河、ヴァトナヨークトル。公園内に滝はいくつもありますが、デティフォスの滝は国内の滝で最も水量が多く、迫力では群を抜いています。

『オブリビオン』では荒廃した地球に

 トム・クルーズ主演の終末論的SF大作「おぶりびおーん」こと『オブリビオン』。異星人との核戦争により、地球人は土星の衛星タイタンへの移住を余儀なくされた未来。地球には、元海兵隊司令官ジャック・ハーパー(トム・クルーズ)と、ヴィクトリア・オルセン(アンドレア・ライズボロー)の2人が残り、地球最後の資源の採取と、異星人の残党を始末する任務に当たっています。

 ハーパーとオルセンが住むガラス張りの近未来的な家は、かなり魅力的。そこからの景色が人の住めなくなった地球だと思うと胸が痛みますが。印象的なロケ地は、ハーパーが警備中にヘリコプターで降り立つ、“伯爵の帽子”ことヤールヘッター。ラングヨークトル氷河に近い、20の山が連なった約15キロの尾根の先にある高さ約240メートルの山ですが、トム・クルーズはまたしてもここの淵にスタントなしで座るというアクロバティックな撮影を行ったそうです。

ラングヨークトル氷河の周囲を囲む山々(dash1502/stock.adobe.com)

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