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『サマーウォーズ』の舞台は超人気ロケ地! 長野県上田市の魅力とは

上田が誇る映画館「上田映画劇場」

 『サマーウォーズ』以外のロケ地でぜひ訪れてほしいのは、1917(大正6)年竣工の映画館「上田映劇」(上田市中央2-12-30)。明治時代は「末広座」という名の芝居小屋で、昭和に入って「上田映画劇場」となった。

 目印は「あさくさ雷門ホール」という大きな看板とちょうちん。ここは劇団ひとり監督・大泉洋主演『青天の霹靂』(2014年)のメインロケ地でもある。その際、昭和40年代の浅草を再現したセットがそのまま残っているのだ。

『青天の霹靂』のメインロケ地だった「上田映劇」(撮影:平辻哲也)

 目の前の通りの「花やしき通り」という看板もその名残だ。『サマーウォーズ』同様、こちらも多くのファンが今も訪れる。

「上田映劇」2階(撮影:平辻哲也)

 全盛期は年中無休、2~3本立て入れ替えなし、1週間ごとに新しい番組を上映。2階席ではメイドがコーヒーを給仕するほど賑わっていた。しかし、観客数の激減、シネコンの参入により11年4月に定期上映を終了。その後、市民有志が立ち上がり、17年4月に完全復活を遂げた。

上田ロケが増えている理由は?

 2019年は、市内の昭和レトロな雰囲気残る袋町でロケした『兄消える』、上田城跡公園などが使われた『閉鎖病棟 ‐それぞれの朝‐』、上田市を筑豊に見立ててロケされた『最初の晩餐』など、上田ロケ映画が相次いで公開された。

 どうして、こんなにたくさんロケ地に使われるのか? それは、懐かしい日本の原風景があり、夏冬の気温差50度という、はっきりとした四季の風景がある上、日本有数の少雨地帯(降水量年間900ミリ前後)という撮影にうってつけの条件がそろっているからだ。

 台風19号では千曲川が氾濫し、周囲に大きな被害が出たが、地元民にとっては想定外の出来事だったという。このとき、『サムライフ』(2015)のロケ地だった赤い鉄橋は一部が倒壊した。

『サムライフ』(2015)のロケ地だった赤い鉄橋は上田電鉄のシンボル(撮影:平辻哲也)

 また、90年以上を誇る支援実績とノウハウがロケ隊をサポートし、地元民も協力を惜しまない。「信州上田フィルムコミッション」によれば、映画、ドラマ、CM、グラビアまで年間200件以上の問い合わせがあり、50件のロケが実現している。

 これまで『伊豆の踊り子』(五所平之助監督)、『一人息子』(小津安二郎監督)、『姿三四郎』(黒澤明監督)、『楢山節考』(今村昌平監督)、『男はつらいよ 寅次郎純情詩集』『たそがれ清兵衛』(山田洋次監督)、『犬神家の一族』(市川崑監督)、『理由』(大林宣彦監督)など劇場公開作100本以上の撮影が行われた。

 中には上田ロケが全面に出ない作品もあるが、「上田市の魅力をアピールしてくれる作品は嬉しいですが、そうでなくとも、上田に来ていただけるなら、大歓迎ですよ」とスタッフは語る。なんと、まあ太っ腹なこと。

 信州上田観光大使を務める女優の土屋貴子さんが故郷の魅力を語ってくれた。

土屋貴子さんは「うえだ城下町映画祭」の企画・『兄消える』ロケ地めぐりの案内役(撮影:平辻哲也)

 「山や川の美しさはもちろんですが、一番の魅力は人だと思うんです。おせっかいなくらい世話を焼くんです。(上田で撮影し、ヒロインを演じた)『兄消える』でも、町の皆さんにたくさん親切にしていただきました。こうした良さは一度、故郷を離れて東京に出てきたからこそ、わかったことだと思います」

ロケ地めぐりの最後は地元のソウルフードで

 最後に、土屋さんもオススメの上田グルメを紹介しよう。広東料理「日昌亭 袋町本店」(上田市中央3-8-26)の焼きそばは上田のソウルフード。また、JR上田駅にある駅そば「ちくま・そば処」(上田市天神1)ではお手軽に信州そばが楽しめる。

左/「日昌亭 袋町本店」の焼きそば 右/「ちくま・そば処」の信州鹿肉そば(撮影:平辻哲也)

 「ちくま・そば処」には「特上そば」と「駅そば」の2種類があり、価格差は60円。観光客が頼むのが「生そば」、地元民に好まれるのは駅そば、とのこと。そう言われたら、食べ比べたくなるなぁ。季節が変わるごとに訪れてみたい町だ。

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