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林海象+乱歩+茨城! 年末ドラマ『黒蜥蜴-BLACK LIZARD-』ロケ地を行く

「カメ止め浄水場」が「黒蜥蜴浄水場」に!?

 もう1箇所、林監督が強烈に惹かれた場所が1937年から約60年間稼働していた水戸市初の浄水場「旧芦山浄水場」(※一般立ち入り禁止)だ。

林監督「これからは”黒蜥蜴浄水場”とよばれるのは? と思うくらい、クライマックスシーンは全部そこです。撮影前に、上田慎一郎監督の映画『カメラを止めるな!』で使用していないアングルはないかと探してみたけど、施設内をくまなく撮っていた。使い果たしていたと言っても良い。彼らは本当にすごい。エライ! と思った。それにしても、近代的な建物を撮影すると逆に映像では新しく感じるから不思議だよね」

「旧芦山浄水場」は監督に大人気!?(写真提供:林海象監督)

クライマックスシーンを撮った「旧芦山浄水場」では気合を入れて“正装”で挑んだ林海象監督(写真提供:林海象監督)

女優を美しく撮る映像技術

 その映像マジックを完成した作品で見せてくれるのは、林監督作品には欠かせない人たち。撮影・長田勇市、照明・長田達也と『夢みるように眠りたい』のメンバーが再集結したのだ。

『夢みるように眠りたい』のチームが「旧芦山浄水場」で再集結。(左から)撮影・長田勇市、照明・長田達也、林海象監督、俳優・佐野史郎(写真提供:林海象監督)

林監督「美術の竹内公一さんも、『夢みるように眠りたい』の美術を担当してくれた木村威夫さん(1918-2010)の一番弟子だしね。撮影の長田さんとはずっと組んできたけど、照明の長田さんとは『探偵事務所5’’~5ナンバーで呼ばれる探偵達の物語~』(2005)以来。今回は4Kデジタルでの撮影でフィルムに近い質感が出せるので、昔の日本映画の雰囲気を出したかったんです。

 すると照明が必ず必要になるので、長田さんに参加していただきました。昔の日本映画って、俳優の瞳に必ず光が入っていたでしょ。今回、長田さんにそれをやっていただいたんです。やっぱり全体的に光が綺麗じゃないと、女優さんが綺麗に映らないから。今回、黒蜥蜴役のりょうさん、小林少年役の佐久間由依に、福本莉子、大鶴美仁音と女優さんがみんな良いんです。美仁音は唐十郎さんの娘なんだけど、やはりすごいDNAを受け継いでいますね」

黒蜥蜴(りょう)の妖艶さに明智も惑わされる(写真提供:NHK)

福本莉子(写真提供:NHK)

茨城の映画を茨城で撮る野望!

 茨城県での撮影はほか、霞ヶ浦流域や、アメリカの豪邸を再現した貸スタジオなどでも行われたという。

林監督「ただ水戸の方が言っていましたが、ロケは多いのに、物語の舞台が水戸という設定の作品はほとんどないとか。今回の『黒蜥蜴』も東京の設定ですしね。だから僕は一回、借りがある。いつか水戸の話を撮ってみたいですね」

 それはぜひ観てみたい。三の丸庁舎に探偵事務所を開設する設定なんて、いかがでしょ!?

特集ドラマ『黒蜥蜴(くろとかげ)-BLACK LIZARD-』
放送予定:BSプレミアム、BS4Kにて2019年12月29日(日)夜9時~11時(120分単発) 
原作:江戸川乱歩 脚本:長津晴子、林海象 音楽:サキタハヂメ 出演:りょう(黒蜥蜴)、永山絢斗(明智小五郎)、福本莉子、佐久間由衣、風間トオル、佐野史郎、中村梅雀ほか 演出:林海象

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