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【個性的すぎる映画館】渋谷PARCO復活! 「ホワイト シネクイント」は映画館の枠を超えるか?

 2019年11月22日、新生「渋谷PARCO」(渋谷パルコ)がグランドオープンしました。その8階に誕生したミニシアター「WHITE CINE QUINTO」(ホワイト シネクイント)が、映画館の新しい在り方で私たちを楽しませてくれそうです。

PARCO運営の映画館は「CINE QUINTO」(シネクイント)に続く2館目(撮影:Avanti Press)

駅からやや離れた距離もむしろ利点?

 まずは新生「渋谷PARCO」および“PARCO”ブランドのコンセプトから! 新しい渋谷PARCOは、「インキュベーション」「街づくり」「情報発信」に取り組むことで“渋谷”を刺激し続けてきた前施設(1973年オープン)のDNAを受け継ぎ、次世代型商業施設として再開発を行ったもの。「ニーズを満たすのではなく、ニーズを創造し、新しい消費提案・価値観の提供をデザイナーやクリエイターとともに行っていく」と、牧山浩三代表執行役社長はオープン時に発表しました。

 そうそう。“PARCO”とはそういう意気盛んな商業施設だったな、と思い出しました。90年代に放送された、アバンギャルドでクリエイティブな「PARCOグランバザール」のCMに憧れ、刺激されたものです。

場所は旧渋谷PARCOと同じ(撮影:Avanti Press)

 渋谷と言えば、展望施設「渋谷スカイ」が話題の「渋谷スクランブルスクエア」や新商業施設「渋谷フクラス」と、次々に新しいビルが駅周辺にオープンしている話題のエリア。渋谷PARCOが駅から少し離れた丘の上にあることから、記者会見では「駅からの距離が他ビルに比べて不利となるのではないか?」という質問が出ました。

 牧山社長は、「駅と渋谷PARCOの間には商店街があります。PARCOはその町との共存を考えています。またここを渋谷のへそ、ここから発信するものが世界へ届くメディアセンターだと考えています」とブレない答え。町で遊んで、PARCOにたどり着き、そこから世界へと発信するなにかを共有する。そんな施設単体では終わらない発想に基づく施設づくりに高揚させられます。

108の真っ赤な座席が「映画館にようこそ!」

 では、早速8階へ。この階には映画館「ホワイト シネクイント」のほか、マルチスペース「ほぼ日曜日」(ほぼ日)と「PARCO劇場」が入っています。「ほぼ日」ではアーティストの作品を多数展示。オープニング企画の展覧会「アッコちゃんとイトイ」(11月22日~12月8日)では、矢野顕子&糸井重里コンビの作品から10曲を選び、それらを題材に10人のアーティストが手掛けた作品が展示されています。

「ほぼ日曜日」のネーミングはもちろん糸井重里(撮影:Avanti Press)

 「あ、こういうことか!」と思ったのは、展覧会初日に矢野顕子のミニライブが開催され、その日と渋谷・NHKホールでのライブがある12月8日には、「ホワイト シネクイント」で矢野顕子のドキュメンタリー映画『SUPER FOLK SONG ~ピアノが愛した女~』を上映というお知らせ。ひとりのアーティストを、ライブ、フィルム、アートと立体的に表現して見せる試みを、施設をあげてやっていこうということなんですね。

 さて、「ホワイト シネクイント」はロビーのないシンプルなファサード。映画館への扉はすぐそこ。

左/正面がコンセッション、右手はチケット発券機、左手は映画館入口 右/コンセッションのおススメはクラフトビールとか(撮影:Avanti Press)

 中に入ると、108の真っ赤な座席が迎えてくれます(車椅子スペース1つ)。足回りは広く、すっぽりと身体を包み込んでくれる椅子は、まるでひとり客を歓迎しているよう。「映画館にようこそ!」と言ってくれている気がします。

座り心地は抜群(撮影:Avanti Press)

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