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【個性的すぎる映画館】『天気の子』の監督も!? 若き映像作家を応援する「下北沢トリウッド」

シモキタにマッチする作品とは?

 山本さんは、大槻支配人が講師を務めていた東京ビジュアルアーツ出身。仲間たちと製作した作品を2001年にトリウッドでスニークプレビューしたのをきっかけに、劇場にも関わるようになったそう。シモキタの街の変化を見続けながら感じたのは、その街に合う映画があるということ。

 「今年、柄本明一家が演劇制作に挑む過程を追ったドキュメンタリー『柄本家のゴドー』を上映したら、客層が自主公演をやっているような演劇関係者など業界率が高かった。見事に日頃シモキタ に来ている客層とマッチしたなと思いました」

左/プロジェクターはシアター内の天井に設置 右/映写室は畳1畳ほど(撮影:中山治美)

 ご当地モノも定番。毎年10月に開催されている下北沢映画祭の上映会場の一つであり、下北沢の道路計画・再開発計画に対する抗議活動を記録した『下北沢に生きる』(2017)を定期的に上映する場でもあります。

 また、地元在住の女優・広田レオナが監督を務める耽美な愛の世界を描く映画『お江戸のキャンディー』シリーズの配給も手掛けています。最新作となるシリーズ第3弾『遮那王—お江戸のキャンディー3』の公開は東京・池袋HUMAXシネマズにて2019年11月22日より。トリウッドはそのあとの12月と、自社配給作品なのに先行公開ではないところが奥ゆかしい。その代わり、トリウッドでは『遮那王』公開記念と題し、11月2日からシリーズ1と2をリバイバル上映します。

『遮那王—お江戸のキャンディー3』。下北沢トリウッドでは12月公開 (C) 2019「お江戸のキャンディー3」製作委員会

 2013年に配給・上映した、韓国系ベルギー人のユン監督自身の半生を描いたドキュメンタリー『はちみつ色のユン』は、14年の第18回文化庁メディア芸術祭・アニメーション部門大賞を受賞。映像作家をとことん応援する姿勢は、20年間変わりません。

シモキタならではの悩みも?

 ただ残念ながら、20年経った今でもなかなか劇場の場所を覚えてもらえず、問い合わせの電話や、上映時間に間に合わなかったという観客が多数。まして再開発によって小田急線と京王線の下北沢駅が完全に分かれて、出口も変わってしまいました。

 「駅の北側に出られてしまったら、どう説明したらいいかお手上げですね(苦笑)。でもシモキタというのはそういう町なので、迷うことを楽しみながら劇場まで来ていただければ」

左/北澤庚申堂(世田谷区北沢2-14−1)に着いたらピュアロードを入って約30m 右/右手の老舗古着店「シカゴ」2階がトリウッド(撮影:中山治美)

 そうやって迷っているうちに、広田レオナ監督『お江戸のキャンディー2 ロワゾー・ドゥ・パラディ(天国の鳥)篇』(2017)のロケで使用された居酒屋「都夏 本店」や、1980年創業の昭和レトロな喫茶店「カフェ トロワ・シャンブル」(世田谷区代沢5-36-14 湯浅ビル2F)に、ひょっこり行き着いたりする。ちなみに同喫茶店は俳優・柄本明さんも常連とか。そんな出会いもシモキタならでは。もし柄本さんと遭遇することがあっても、大人な対応で!

左/カフェ「トロワ・シャンブル」は、シモキタでは貴重なゆっくり静かに映画の余韻に浸れる場所 右/『お江戸のキャンディー2 ロワゾー・ドゥ・パラディ(天国の鳥)篇』(2017)のロケ地「都夏」も、トリウッドのすぐ近く(撮影:中山治美)

下北沢トリウッド WEB
住所 東京都世田谷区代沢5丁目32-5-2F
電話 (03)3414-0433
定休日 火曜日

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