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高倉健と北海道の深い縁とは? 『鉄道員(ぽっぽや)』公開20周年

 高倉健さんが亡くなって5年。時の経つ早さを感じます。一方で、高倉さんは映画ファンの記憶の中で生きているとも感じています。命日の11月10日には映画『鉄道員(ぽっぽや)』公開20周年記念も合わせ、大竹しのぶ、広末涼子、小林稔侍、撮影監督の木村大作が登壇予定の上映イベントも開催されるそう。

©1999「鉄道員(ぽっぽや)」製作委員会

 この『鉄道員(ぽっぽや)』もそうですが、高倉健さんは多くの出演作品を北海道で撮影しています。今回は『鉄道員(ぽっぽや)』にちなみ、印象的な鉄道関連のロケ地が登場する作品をご紹介。高倉さん主演作品から北海道を辿ってみましょう。

出発は網走駅から

 シドニー・ポワチエとトニー・カーティスが手錠につながれたまま護送車から脱走を図る『手錠のまゝの脱獄』(1958)。その要素を取り入れた、石井輝男監督の脱獄ものが『網走番外地』(1965、第一作)です。高倉健は、過酷な自然条件と、理不尽な刑務所内の人間関係に、じっと耐えるヤクザもの、橘を演じています。

 手錠・腰縄姿の橘たちが降りたつ網走駅の外観は、JR釧網本線・藻琴(もこと)駅の駅舎を使って撮影されました。現在も平日6本、休日7本の列車が停まる現役の駅ですが、手直しはしているものの駅舎は当時のままのものが使われています。

藻琴駅(写真:pixta)

 網走刑務所の内部は東映東京撮影所に作られたセットですが、外観は実際の建物が使われているそうです。若く新しい作品を作り出すことに意欲を燃やしていた高倉さんは、受刑者たちが裸になって騒ぐシーンも先頭に立って踊ったと聞きます。俳優でありながら、現場でのリーダーシップは抜群。人を魅了する力を持つ希有な存在だった高倉さんだからこそ、後年、東映東京撮影所のスタッフたちが製作を熱望し、『鉄道員(ぽっぽや)』が作られることになるわけです。

網走から帰りつくのは夕張

 ピート・ハミルの短編小説「黄色いリボン」を、山田洋次監督が映画化した『幸福の黄色いハンカチ』(1977)でも、高倉健演じる島は、網走刑務所を出所したばかりの設定。全財産を真っ赤なファミリアに変えて、東京からフェリーで釧路にやってきた花田欽也(武田鉄矢)や、彼がナンパした傷心旅行中の朱美(桃井かおり)らとともに、元妻が住むはずの夕張を目指します。

 炭鉱で働く島が、恋女房・光枝(倍賞千恵子)と暮らしていたのは夕張の炭鉱住宅。撮影が行われた五軒長屋は現在、「幸福の黄色いハンカチ想い出広場」として一般公開されています。

幸福の黄色いハンカチ想い出広場(写真:pixta)

 鉄道関連のロケは、JR石北本線・釧網本線の網走駅前、JR根室本線の新得(しんとく)駅前、現在は廃駅の陸別(りくべつ)駅などのさまざまな場所で行われました。最後、島が夕張に向けて列車に乗ろうとするのは新得駅。現在では石勝線の新夕張駅まで1時間ちょっとですが、当時は直通の鉄道路線がなく、いったん根室本線で北へ向かい、富良野駅や滝川駅を経由し、ぐるりと回らないとならない場所だったようです。

 映画が撮影されたのは、北炭夕張炭鉱新第二鉱(夕張炭鉱)が閉山した年ながら、いまでは見ることのできない活気溢れる炭鉱町の風景を見ることができます。

 そんな夕張は「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」が開催地としても知られています。コンペには、クエンティン・タランティーノやジョエル・コーエン、ロバート・ロドリゲス、審査員としてはキム・ノヴァク、アンナ・カリーナらが参加した、国際的にも権威ある映画祭ですが、2020年からは時期を変えての開催となるよう。詳細は、開催情報が解禁されるのを待ちたいと思います。

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