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【個性的すぎる映画館】米寿を迎えた館長が大人気 1949年創業の「別府ブルーバード劇場」

3世代の女性がケンカしつつ(?)も面白く運営

 劇場は阪本順治監督の『顔』(1999)にも登場している。同僚ホステスを殺害し、整形手術をしながら全国を逃亡した福田和子の事件をモデルに、藤山直美主演で描いたもの。主要キャストの一人である國村隼が映写技師役で出演した。

映画『顔』(1999)で使われた映写室。夫の昭夫さんの写真も飾られている(撮影:平辻哲也)

 以来、阪本監督の作品をすべて上映。映画館の入り口には阪本監督コーナーがあるほか、高倉健さん、月丘夢路さん、木下惠介監督、吉永小百合さんとの写真や記事、記念品などが飾られているコーナーもあり、この小さな映画館がいかにたくさんの映画人に愛されているかが分かる。

劇場入り口。手前には阪本順治監督コーナーも(撮影:平辻哲也)

 2015年からは、映画ライターの森田真帆さんが運営をボランティアで手伝っている。森田さんは一人旅で別府を訪れた際、昭和にタイムスリップしたかのような映画館と照さんの人柄にたちまち魅了され、「お手伝いさせてください」と直訴。別府に家も借りて、東京と別府を往復しながらも、作品選びやイベント開催、メディア、インターネット展開などを担当。その成果で劇場は全国放送のテレビ番組でも数多く紹介されている。2018年に社会現象となった『カメラを止めるな!』(上田慎一郎監督)も、地方劇場としては異例の早さで上映した。

「湯布院映画祭」でもコーディネーターを務めた森田真帆さん(撮影:平辻哲也)

 「森田が『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭』でいち早く観て、すぐ配給元に連絡を取ってくれたんです。多分、2番目か3番目には手を挙げたはずです。舞台挨拶とかイベントがあるわけではないのに長い行列ができました。こんなことは昔の石原裕次郎さんの映画か『機動戦士ガンダム』(1981)以来。母は一生懸命やるだけだったのですが、森田が来てから、映画監督や俳優さんを呼んでくれたり、私たちが思いもつかなかったことをやってくれました。そう言えば昔、父が握手会やサイン会をよくやっていたなと思い出したりもします。母と私、母にとっては孫のような森田の3人で、結構ケンカしながらも(笑)、女同士で面白い感じでやっていますね」

 森田さんが中心となって企画した「第3回Beppuブルーバード映画祭」は11月29日〜12月1日に開催される。豪華なラインナップとゲストに、日本有数の温泉街がHOTに盛り上がりそうだ。

第3回Beppuブルーバード映画祭 スケジュール
11月29日 『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017)ゲスト:白石和彌監督×阿部サダヲ
11月30日 SMAP主演『シュート!』(1994)応援上映 ゲスト:ダイノジ、ロバート・レッドフォード主演『追憶』(1973) ゲスト:よしひろまさみち×新谷里映(2人の映画評論家がレッドフォードを語るイベント〉、『パッチギ!』(2004)ゲスト:真木よう子
12月1日 『凪待ち』(2018)ゲスト:白石和彌監督、『HE-LOW2』(2019)ゲスト:高野八誠監督・青柳尊哉・須賀貴匡・吉岡毅志、『半世界』(2018)ゲスト:阪本順治監督×渋川清彦、『狼煙が呼ぶ』(2019)ゲスト:豊田利晃監督×渋川清彦

別府ブルーバード劇場 WEB
住所 大分県別府市北浜1-2-12
電話 0977-21-1192

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