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【個性的すぎる映画館】元スーパーの駐車場で挑戦! 大物監督も注目の「あまや座」

通好みなイベントも…攻める! 支配人の挑戦

 客層はシニアが中心で、『モリのいる場所』(2018)を上映し、他のミニシアター同様に樹木希林さんの恩恵を受けた。今夏は『ビル・エヴァンス タイム・リメンバード』(2015)が好評だったという。

 「若い俳優が出演している作品は、動員が厳しいところがあります。とはいえ冨永昌敬監督の『南瓜とマヨネーズ』(2017)のように都内でヒットした作品は認知度がアップし、水戸からも若いお客さんがカップルで観に来てくれました」

左/あまや座のロビーには、クラウドファンディングを行なった際の、ファンド支援者の名がズラリ 右/来館した監督・俳優たちのサイン。2年間でだいぶ増えました(撮影:中山治美)

 それでも大内支配人は挑戦をやめない。8月31日からは、あまや座初の大規模企画「インド映画特集」を3週間にわたって開催。オープニングは『バーフバリ 王の凱旋<完全版>』(2018)のマサラ上映と、駐車場をビアガーデンにして盛り上げ、週末は同作などの日本語字幕監修でも知られる茨城大学人文社会科学部教授でインド文化研究家の山田桂子さんと、インド放浪経験を持つラジオパーソナリティ・山田タポシさんのトークイベントを行なった。このツウな2人の解説を聞こうと、栃木県宇都宮市から泊まりがけで来場したインド映画ファンもいたという。

 「僕は地元出身ではなく、結婚して茨城に来ました。住まいも瓜連ではないのでコミュニティ的な関わりもなく、地域の方との関係もどのようにしたらいいのか試行錯誤していますが、ウチに来たお客さんが地元の旅館 「満喜葉」に宿泊して下さったり、少しずつ地域との関係性もでき、お互いにとってプラスになれる場所になり始めたのかなと感じています」

インド映画『あなたがいてこそ』(2014)の上映後に行われた、同作の日本語字幕監修を務めた茨城大学人文社会科学部の山田桂子教授とインド放浪体験を持つラジオパーソナリティ・山田タポシのトーク(撮影:中山治美)

 もちろん劇場としての課題はまだまだあり、ロビースペースが狭いため、劇場外か、車で来たお客さんは車中で待ってもらっているのが現状だという。また周辺に飲食店やコンビニがなく、長時間鑑賞予定の人は食料持参が必須だ。

あまや座で販売している飲み物とスナック。可愛らしい手書き文字POPは、大内支配人のお子さんによるもの 右/アメちゃんもサービス(撮影:中山治美)

開館2周年企画は映画愛たっぷり

 2周年企画が目白押しの10月も攻める。まずは不当な暴力で姉を奪われた在日朝鮮人の少女と、その現場を見て見ぬ振りをしてしまった日本人の高校生が社会への怒りを爆発させる問題作『アジアの純真』(2009)の一日限定上映、インディペンデント映画に欠かせないバイプレーヤー川瀬陽太特集、そして『この道』(2019)を引っさげた佐々部清監督のあまや座来館3度目となる舞台挨拶イベントまである。自身も映画監督として活動しているだけに、大内支配人の映画への愛が溢れまくっているラインナップだ。(10月12日開催予定の映画『メランコリック 』主演・プロデューサーの皆川暢二さん舞台挨拶は、台風19号上陸の予報ため中止となりました)

 「ウチの劇場に来られるお客さんというのは暇つぶしで観に来るというのではなく、その映画がどうしても観たくて来られるということ。こじつけかもしれませんが、こんな辺鄙な場所でうまくいくのであれば、どこで上映してもそこそこ当たる可能性があると思っています」

 なんと説得力のあるお言葉!

左/毎月制作されるあまや座の上映スケジュールのチラシ。表紙は毎回コラムが掲載される 右/10回鑑賞すると1回無料になるあまや座スタンプカードは、鑑賞した映画タイトルのハンコが押される。鑑賞記録にもなってありがたや(撮影:中山治美)

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