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【個性的すぎる映画館】元スーパーの駐車場で挑戦! 大物監督も注目の「あまや座」

 こんなところに映画館が? ショッピングモールの中でも、繁華街でもない地方都市の住宅街、那珂市瓜連に誕生した座席数31席のミニシアター 「あまや座」は、2019年10月14日で丸2年を迎える。人口約5万4000人(2019年9月1日現在)の牧歌的な町に誕生した茨城県唯一のミニシアターを応援しようと、大林宣彦監督、黒沢清監督、塚本晋也監督ら映画関係者が続々来館。そんな注目の劇場に、1時間1本ほどのローカル線・JR水郡線に乗って行ってきた。

通りからもよく見える「スーパーあまや」に「座」をつけた看板(撮影:中山治美)

元スーパーを活用! いざ「あまや座」へ

 「あまや座」の最寄駅は、上下線ともにほぼ1時間に1本というシンプルなダイヤのローカル線、JR水郡線の瓜連駅。JR水戸駅からは、水戸城の空堀や田園風景を走り抜けること約25分の距離。

左/水戸と郡山を結ぶJR水郡線の車両はキハE130系気動車。上菅谷駅では映画『ディア・ドクター』(2009)のロケに使用された 右/水戸駅を出発した水郡線は、水戸城の空堀を抜けて郡山方面へと向かう(撮影:中山治美)

 瓜連駅を降りて原っぱや住宅街を抜けて県道104号にたどり着くと、見えてきました!元の「スーパーあまや」の看板に「座」をつけただけの「あまや座」の看板が。そう、ここは元スーパーマーケット。当初はスーパーの建物をリノベーションして映画館にする予定だったが、県の条例や消防法に引っかかり許可が下りなかった。そこで駐車場に新たに映画館を作ってしまったのだ。「あまや座」の大内靖支配人は「現実的なことを言うと茨城は車社会で、駐車場がたくさんあるのは重要です。しかもこのスペースを無料で借りられる場所はないと思います」と説明する。

スーパーの駐車場内に建てられたあまや座(撮影:中山治美)

 「あまや座」が誕生したのは2017年10月14日のこと。プロジェクトを立ち上げたのは「映画で地域に活気を」と地元・那珂市菅谷で映像制作・上映などを行なっていた有志団体 「カミスガフィルムクリエイト」で、大内支配人もメンバーの一人だ。

「あまや座」の大内靖支配人。「瓜連」の瓜が劇場、連が映写機になっているニクい劇場ロゴもデザインした(撮影:中山治美)

 開館にあたっては、大内支配人の出身地・埼玉県深谷市にあり、酒蔵をリノベーションした 「深谷シネマ」の竹石研二支配人からアドバイスを受けたという。

 「開館して2年経ち、少しずつあまや座は認知されてきたと感じています。とはいえ年間来場者は約1万人ちょっと。スタッフは僕ともう一人で運営していますが、僕の給料は現状出していない状態で、映像制作の仕事で生活しています。もともと自分の給料は出ないだろうなと思って始めましたし、深谷シネマの竹石さんからも『3年は辛抱するように』と言われました。ですので、とりあえず3年を一つの目標にし、そこから5年、10年と続けていけたらと思っています」

左/館内に掲示されている山田洋次監督からの開館を祝福する手紙 右/大林宣彦監督からの手紙。大林監督は2018年2月に、映画『花筐/HANAGATAMI』(2017)上映の際に来館した(ともに撮影:中山治美)

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