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ロケ地めぐりに美食! 山形国際ドキュメンタリー映画祭を2倍楽しむ方法

 アジア初のドキュメンタリー専門映画祭として知られる 「山形国際ドキュメンタリー映画祭」(以下、YIDFF)は、2019年で30周年を迎えます。10月10日〜17日の会期中には、第1回開催の奮闘を記録した『映画の都』(1989)や転換期を追った『映画の都 ふたたび』(2007)など、これまでの歩みを振り返る上映が予定されています。

 今までなんとな〜く二の足を踏んでいた人も、参加する良い機会。開催期間は秋の観光シーズンです。映画+温泉+紅葉+食が一度に楽しめちゃうなんて、最強な映画祭じゃないですか。それでは早速、映画祭の見どころと山形の観光情報をご紹介しましょう。

映画祭開催時期はちょうど紅葉の季節。上映会場の一つ「山形美術館」では色鮮やかな木々を楽しめる(撮影:中山治美)

上映時間8時間15分! 中国から注目作が上陸

 1989年に「山形市市制施行100周年記念事業」としてスタートしたYIDFF。隔年開催のため、2019年は第16回です。人口約25万人(2019年8月1日現在)の街に、国内外から約2万人以上の観客が参加します。その目的は、世界の今を映した刺激的かつここでしか鑑賞できない貴重な作品を鑑賞すること。

前回(2017年開催)の受賞者たち。原一男監督(左)の『ニッポン国VS泉南石綿村』(2017)は市民賞を受賞(撮影:中山治美)

 今年の注目作はなんといっても、インターナショナル・コンペティション部門で上映される中国の王兵監督『死霊魂』(2018)。中国共産党による反右派闘争で粛正され、再教育キャンプに送られた生存者たちの証言をカメラに収めたもので、上映時間は495分(8時間15分)。完走した際には気持ち良いくらいの達成感と、同じ時間を共有した者同士の一体感が生まれそうです。

インターナショナル・コンペティション部門に選出された王兵監督『死霊魂』の上映時間は495分!(写真提供:山形国際ドキュメンタリー映画祭)

 東日本大震災後に始まった震災プログラム「ともにあるCinema with Us」や、今年の特集プログラム「リアリティとリアリズム:イラン60s-80s」もあり、ここには神出鬼没の映画監督アミール・ナデリがトークセッションに参加予定。濃ゆい時間となりそう。

上映後には監督たちを囲んでのロビートークも行われる(撮影:中山治美)

映画祭なのにサウナ?

 昨今のサウナブームに乗じて(?)「フィンランドサウナ×映画」と題した企画も登場。ヨーナス・パリヘル&ミカ・ホタカイネン監督『サウナのあるところ』(2010)をとヴィルピ・スータリ監督『起業家』(2018)を上映し、上映会場の一つ山形市民会館前広場にはサウナが設置されるとか(10月12日〜15日)。え? は? どんな形態のサウナがお目見えするのか、全く想像がつきません。

『サウナのあるところ』9月14日よりアップリンク渋谷ほか全国順次公開 (c) 2010 Oktober Oy

 そして1日の終わりはYIDFF名物「香味庵クラブ」に全員集合! 地元の漬物店 「丸八やたら漬」と山形ビューティフルコミッションの皆様のご厚意により、国登録有形文化財の土蔵をリノベーションしたお食事処 「香味庵まるはち」で夜10時からオープンするこのクラブ。入場料500円(ドリンク1杯+おつまみ)という破格の価格で、映画祭ゲストから観客まで共に酒を酌み交わすことのできる社交の場です。週末は道路まで人が溢れかえっているくらいの盛況ぶり。ここを体感すれば「YIDFFにキターッ!」と実感することウケアイです。

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