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映画界にも絶大な影響!? 『カーライル ニューヨークが恋したホテル』に学ぶ“何かが生まれる場所”

MJとダイアナ妃、ジョブズが同じエレベーターに

 ジョージ・クルーニーが「ただ眠るだけの場所ではない」といい、元アメリカ国務長官のコンドリーザ・ライスが「古き良き時代の一番いいところが、現代に合わせた形である」というホテル、「ザ・カーライル」。宿泊客を魅了するのは、ホテル自体が伝説であり、ここへの滞在が歴史の一幕であり、「何か面白いことが起きる」ところであるからだ。ある時は、マイケル・ジャクソンとダイアナ妃とスティーヴ・ジョブスが一緒のエレベーターに乗り合わせた。その場の沈黙を破ったのはダイアナ妃。彼女が口ずさんだ、マイケルの「今夜はビート・イット」によってだった。エレベーター係が証人となった。

実に楽しげな顔で「ザ・カーライル」を語るジョージ・クルーニー 『カーライル ニューヨークが恋したホテル』8/9(金)よりBunkamuraル・シネマ他全国順次公開 © 2018 DOCFILM4THECARLYLE LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

 「ザ・カーライル」があるアッパー・イーストサイドは、超高級住宅街だ。住人の多くはドアマンのいる高級アパートメントに暮らすセレブ。目の前はセントラル・パーク、1ブロック北にはメトロポリタン美術館、そのまま南下すればティファニー本店があるブランドエリア。その町の雰囲気は、毎年、壊れていくが、そんな中「ザ・カーライル」だけが変わらないのだと、住民たちはいう。

 元コンシェルジュのドワイト・オーズリーは、どんな店にも予約でき、様々な客から愛された。そんな彼には吃音があるが、当時の上司から直さないようにと言われたそうだ。なぜなら相手が君の気持ちを考える。吃音症の人間を責めないし、君に考える猶予を与える」からだという。長年、通い続ける客は、ドワイトを「カーライル最大の財産」だと言う。彼は、温かさとよき時代を体現する。セレブが定宿にするホテルではあるが、なぜか身近に感じ、行ってみたいとすら思うのは、そんなスタッフの素顔の魅力のせいだろう。

元コンシェルジュのドワイト・オーズリー。退職後も週一でホテルに顔を出す 『カーライル ニューヨークが恋したホテル』8/9(金)よりBunkamuraル・シネマ他全国順次公開 © 2018 DOCFILM4THECARLYLE LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

 「雰囲気は人的要因で作られる。雰囲気がすべて」と常連客がいうように、町もホテルも、いやすべてのものが、ハードだけでは完成させることはできないのだと思う。この映画を通じてぜひ、「ザ・カーライル」の世界を体験していただきたい。

カーライル ニューヨークが恋したホテル WEB
監督・脚本:マシュー・ミーレー 出演:ジョージ・クルーニー、ウェス・アンダーソン、ソフィア・コッポラ、アンジェリカ・ヒューストン、トミー・リー・ジョーンズ、ハリソン・フォード、ジェフ・ゴールドブラム、ウディ・アレン、ヴェラ・ウォン、アンソニー・ボーデイン、ロジャー・フェデラー、ジョン・ハム、レニー・クラヴィッツ、ナオミ・キャンベル、エレイン・ストリッチ 
2018年/アメリカ/原題:Always at the Carlyle 配給:アンプラグド 8/9(金)よりBunkamuraル・シネマ他全国順次公開

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