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【映画祭で食べよう】タルタルステーキにはロゼワインを カンヌ国際映画祭は食の宝庫②

 映画と旅と食を愛するマダムアヤコにとって、映画祭は祝祭の場。映画には出来、不出来があっていいが、まずい食事は許せない。つまらん映画は忘却すればいいが、まずい食事がまずい肉となって自分の体に残るなんて想像するだに恐ろしい。マダムアヤコの映画祭は一食入魂がモットーだ。

新鮮な牡蛎をたっぷり召し上がれ! カンヌ国際映画祭は食の宝庫① はこちら

タルタルステーキにはロゼを合わせて!

 夏の南仏でワインといえばよく冷えたロゼワイン。牡蠣やエビに非常に合うし、お肉にも合わせやすい。特にタルタルステーキとの相性は抜群だ。日本ではなかなか生の肉は味わえなくなってしまったが、フランスでは生肉を叩いたタルタルステーキが人気。南仏のタルタルは、新鮮なハーブとガーリックが効いている。タルタルには大量のフライドポテトがお約束。

 ティーショップを併設するレストラン 「ヴォリュプテ」(Volupté) のタルタルステーキは、パルメザンチーズが効いていて、こくがある。このお店は紅茶だけでなく、生ハムやサーモンなどをどっさり盛ったプレートランチもおいしいのでおすすめ。

タルタルステーキは、お店によって味付けが結構違うが、どこもガーリックは強め(撮影:石津文子)

左/生ハムメロンはティールームとは思えないボリューム 右「ヴォリュプテ」の外観(撮影:石津文子)

伝統的な南仏料理なら旧市街スーケへ

 ハーブをきかせた伝統的な南仏料理を食べたいときは、丘の上からの眺めも素晴らしいカンヌの旧市街スーケ(Suquet)へ。細い坂道沿いにずらりとお店が並び、やや観光客向けの風情はあるが、美味しいお店も多い。パプリカや茄子の肉詰めはどこのお店でも大抵あるが、カンヌで最も古いレストランで、ピカソやショーン・コネリーも来たという 「オーベルジュ・プロヴァンサル・ダ・ブットゥ」(Auberge Provençale da bouttau) の味付けはちょっと凝っていて美味しかった。

左/「オーベルジュ・プロヴァンサル・ダ・ブットゥ」店内とロゼワイン 右/お洒落なズッキーニの肉詰め (撮影:石津文子)

 旧市街の近くにあるマルシェ周辺は地元の人が御用達の美味しいレストランも多いので、こちらもおすすめ。中でもローカルに人気な 「ル・ビストロ・グルマン」(Le Bistro Gourmand)は、市場直送の新鮮な食材を様々な手法で食べさせてくれる。

南仏の野菜は大きい! カンヌのマルシェは、お昼には終わってしまうので要注意(撮影:石津文子)

「ビストロ・グルマン」はマルシェの並びにある好立地 右/ちょっとアジア風にアレンジしたひと皿(撮影:石津文子)

ホワイト・アスパラガスを食べずに帰れない!

 そして私が毎年楽しみにしているのが、南仏プロヴァンスの春の味、ホワイト・アスパラガス。旬が短く、レストランで出会えないことも多いので、最近はもっぱらマルシェ(市場)やスーパーで買ってきて自分で調理する。映画祭期間中は日中取材したことを、夜、原稿にしなければならないのでかなり多忙。だから食材を買いおきしておいて部屋で食べることも多いが、ジャーナリスト仲間とキッチン付きのアパートを借りているので調理も可能なのだ。お財布にも、お腹にも、やさしい春の味覚。

マルシェで買ったホワイト・アスパラガスにゆで卵を添えるだけで立派なディナーに。フランスではマヨネーズも様々なフレイバーがあって美味しい(撮影:石津文子)

 映画祭後半にはカンヌ市長主催で「アリオリ」と呼ばれる南仏風ランチが、プレスと審査員にふるまわれる。白身魚と卵、野菜をニンニクの効いたソースで食べるシンプルな料理なのだが、太陽の下で食べるせいかやたらと美味しい。これを食べるためにカンヌに来ているのかも……。

左/お土産にカンヌ産のオリーブオイルまでもらえる 右/ランチの場所はカンヌの古城(撮影:石津文子)

カンヌ国際映画祭 Festival de Cannes WEB
仏カンヌで毎年5月に開催される、1946年設立の歴史ある国際映画祭。ベルリン国際映画祭、ベネチア国際映画祭と3大映画祭と呼ばれる。マーケットを併設し、映画監督や俳優、プロデュ―サーやジャーナリストだけでなく、各国のバイヤー、セラーも参加。作品の内容から映画の技術やビジネス、教育とそれぞれのジャンルで最先端の話題を提供し、国際映画祭のなかで最も話題性と影響力がある。最終日には、パルムドール、グランプリ、監督賞、審査員特別賞など多くの賞が発表される。昨年は、是枝裕和監督が『万引き家族』で最高賞であるパルムドールを受賞。『うなぎ』(1997)以来、21年ぶりの日本映画の快挙となった。

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