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【映画祭で食べよう】新鮮な牡蛎をたっぷり召し上がれ カンヌ国際映画祭は食の宝庫①

 映画と旅と食を愛するマダムアヤコにとって、映画祭は祝祭の場。映画には出来、不出来があっていいが、まずい食事は許せない。つまらん映画は忘却すればいいが、まずい食事がまずい肉となって自分の体に残るなんて想像するだに恐ろしい。マダムアヤコの映画祭は一食入魂がモットーだ。そこで今回は、2019年5月14日のオープニングが近付いているフランスの「カンヌ国際映画祭」をご紹介しよう。

2018年のカンヌのアイコンは『気狂いピエロ』だった(撮影:石津文子)

2019年のカンヌ国際映画祭は?

 南仏の玄関口、ニース・コート・ダジュール空港からバスで1時間、もしくはパリからTGVで5時間半、陽光きらめくカンヌに到着する。世界中に映画祭は数あれど、「カンヌ国際映画祭」はその頂点にあるといっていいだろう。規模、影響力とも他の追随を許さない。毎年5月第2週目から3週目にかけて開催され、2018年の第71回大会では是枝裕和監督の『万引き家族』(2018)が最高賞パルムドールを受賞し、日本でも大きな話題を呼んだ。

2019年のアイコンはアニエス・ヴァルダ監督 (c) Photo : La Pointe courte

 2019年は5月14日から、ジム・ジャームッシュ監督、ビル・マーレイ、アダム・ドライバー、ティルダ・スウィントン、セリーナ・ゴメスらが出演するゾンビ映画『The Dead Don’t Die』(2019)で幕を開ける。フランスの名優アラン・ドロンが名誉パルムドールを受賞することも発表され、華やかなお祭りになることは間違いない。

ケイト・ブランシェットら2018年の審査員たち(撮影:石津文子)

 上映会場 「パレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレ」(Palais des festivals et des Congres) は毎年、レッドカーペットが行われる場所としておなじみだが、地下には映画会社のブースがずらりと並び、フィルム・マーケットが開かれる。さらに裏手には各国のパビリオンが並び、映画の万博状態。だからやってくる人数も半端なく、プレスだけでも約4000人。映画関係者に観光客やホテルの臨時従業員、そしてあまり歓迎したくないがスリやら何やらで、人口約7万人の町が、期間中は約3倍に膨れ上がるのだという。

有名シーフードレストラン「アストゥ・エ・ブラン」

 地中海とアルプスに挟まれたカンヌは、新鮮なシーフードや野菜、ハーブ、オリーブオイルなど食の宝庫で、レストランの数も多い。中でも有名なのが 「アストゥ・エ・ブラン」(Astoux et Brun)だろう。「パレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレ」から港に向かって少し歩くとシーフードレストランがずらりと並ぶ。この店の前では1日中、牡蛎が剥かれているので、行けばすぐわかる。港町らしいチャキチャキしたレストランの支配人が、客をどんどんさばく姿も興味深い。

牡蛎は大きさ、産地など様々な種類から選べる(撮影:石津文子)

 名物の牡蛎だけでも満足度は高いが、カニやエビがのった豪華なプラッター「シーフード・ロワイヤル」(De fruits de mer royal)やホタテ料理なども人気だ。とにかく新鮮なので、アレルギーがない方なら、ぜひとも生牡蛎を思う存分食べて欲しい。オーダーは6個単位だが、するっと食べられてしまう。

新鮮な海の幸の盛り合わせ(撮影:石津文子)

気軽に味わえる南仏のスープ・ド・ポワソン

 南仏の名物といえばブイヤベースもあるが、本格的なブイヤベースはちょっとお高い。もっと気軽に味わうならスープ・ド・ポワソンがオススメだ。魚のアラを濾した濃厚な魚介のスープで、シーフードレストランならどこにでもあるし、値段もお手頃。地中海性気候のせいか夏でも夜は冷え込むことがあるカンヌでは、このスープが飲みたくなる日も多い。にんにくの効いたアリオリソースと薄切りのバゲット、それにたっぷりチーズを載せる。カンヌに来たらこれはぜひ飲んで欲しい。

「アストゥ・エ・ブラン」のスープ・ド・ポワソン(撮影:石津文子)

 次回は伝統的な南仏料理と、カンヌ市長が映画祭審査員とプレスにふるまうスペシャルランチをご紹介します!

カンヌ国際映画祭 Festival de Cannes WEB
仏カンヌで毎年5月に開催される、1946年設立の歴史ある国際映画祭。ベルリン国際映画祭、ベネチア国際映画祭と3大映画祭と呼ばれる。マーケットを併設し、映画監督や俳優、プロデュ―サーやジャーナリストだけでなく、各国のバイヤー、セラーも参加。作品の内容から映画の技術やビジネス、教育とそれぞれのジャンルで最先端の話題を提供し、国際映画祭のなかで最も話題性と影響力がある。最終日には、パルムドール、グランプリ、監督賞、審査員特別賞など多くの賞が発表される。昨年は、是枝裕和監督が『万引き家族』で最高賞であるパルムドールを受賞。『うなぎ』(1997)以来、21年ぶりの日本映画の快挙となった。

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