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『男はつらいよ』が撮影された理由とは? 長野県小諸市の「粋」を探る

映画化常連の文豪も小諸の住人

 せっかくなので渥美清さん同様に、この町を愛した方のゆかりの場所を巡りました。まずは作家・島崎藤村(1872-1943)。「懐古園」には 「藤村記念館」があります。

懐古園内にある島崎藤村記念館(撮影:中山治美)

 藤村は私塾 「小諸義塾」の英語教師として1899年〜1905年の6年1カ月を小諸で過ごしています。その間に執筆した、小諸が舞台の小説「破戒」は、木下惠介監督と市川崑監督という日本映画界を代表する巨匠2人によって、2度映画化されています。

島崎藤村も度々訪れていた恩師の小諸義塾塾長・木村熊二の書斎・水明楼。眼下に千曲川がある(撮影:中山治美)

 また同じく藤村原作の「家」は、2013年に西村知美主演で映画化され、小諸でも撮影が行われました。このほか小諸市内には、藤村が「千曲川旅情の詩」で詠ったという風光明美な宿 「中棚荘」 があります。

創業100年! 島崎藤村ゆかりの温泉宿・中棚荘の玄関(撮影:中山治美)

 色気よりも食い気の筆者は、中棚荘に併設されている食事処「はりこし亭」を目当てに訪れました。江戸時代の旧家を移築した建物の雰囲気といい、地元の食材を丁寧に調理した料理といい、都心では味わえない贅沢さ。

左/江戸時代の藍染業を営んでいた古民家を移築して食事処にした「はりこし亭」の見事な座敷 右/「はりこし亭」の花かご膳。無農薬の野菜を使ったサラダや、玄米おにぎり、ゴマだれでいただく手打ちそばもついています(撮影:中山治美)

 なんでもこの雰囲気に魅了され、ギタリストの渡辺香津美や押尾コータローが定期的にライブを行なっているそう。粋な大人たちは、小諸の楽しみ方をよくご存じですね。掘れば掘るほど、味のある町のようです。映画ファンにもきっとご満足いただけるはず!

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