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映画館通りで地元グルメを堪能! 映画ロケ地でめぐるキューバ・ハバナ③

名作の舞台は国営のアイスクリームパーラー

 「シネ ヤラ」の正面から「L通り」を越えた向かいは緑豊かな公園。ですが、周囲で行列を作っている人たちはいったい? じっくり観察してみると、警備員が入場可能人数を告げるごとに行列が動いています。

暑くてもじっと待つ人たち。暑いほうがむしろ人数は多い(撮影:goo映画編集部)

 ここは国営のアイスクリームパーラー「コッペリア」(Coppélia)。キューバ・メキシコ・スペイン合作映画『苺とチョコレート』(1994)で、自由主義でゲイの芸術家ディエゴ(ホルヘ・ペルゴリア)と共産主義者の大学生ダビド(ウラジミール・クルス)が出会う場所です。タイトルにある「苺」と「チョコレート」は、ふたりがここでオーダーするアイスクリームの種類であり、ふたりがやがて受け入れるお互いの「違い」を暗示しています。ふたりが思想や主義を越えて友情を築く物語は、第44回ベルリン国際映画祭などで賞に輝き、第67回アカデミー賞では外国語映画賞にノミネートされました。

1966年に「コッペリア」がオープンする以前は病院だった(撮影:goo映画編集部)

 「コッペリア」はフィデル・カストロ氏が立ち上げたプロジェクトの一部として1966年にオープン。名付け親はフィデル氏の秘書だそう。他にも店舗はありますが、1000人を収容できる規模や映画による知名度など、やはりこの公園店が特別。ただし、残念ながら外国人は左手脇の外国人専用店舗となり、提供されるアイスクリームも外国人向け仕様です。とはいえ、ここはWi-Fi公園。所定の場所でしかネット接続できないキューバでは場所探しに苦労しますが、ここなら日陰でアイスを食べながらゆっくりできますよ。

ロケ地めぐりの礼儀として当然チョコレートアイスをオーダー。さらに甘いシロップをかけますが、断ってもヨシ(撮影:goo映画編集部)

レトロ映画館見学はまだまだ続く

 アイスクリーム休憩のあとはまた「23通り」を南西へ。通りに並ぶ映画館はいずれも、CUP(人民ペソ)での支払いです。外国人が一般的に使用するCUC(兌換ペソ)は受け付けてもらえないため、どうしても観賞したくなったら途中の「カデカ」(CADECA)で両替をしておきましょう。

観光客が多いエリアには、CUCからCUPの両替を受け付けていない店舗も。23通り沿いの店舗はOK(撮影:goo映画編集部)

 次に現れる映画館は「リビエラ」(Liviera)です。チープと上品のあいだを行く鮮やかなスカイブルー&看板のレトロフォントがグッときますね。妙ななつかしさも感じてしまいます。1920年代から同名の劇場として運営され、50年代には映画館に。他の劇場よりスタイリッシュな外観が話題を呼んだそう。現在はライブ会場としても使用されています。

一見するとナイトクラブ風の「リビエラ」(撮影:goo映画編集部)

 「リビエラ」を撮影している最中、ウエイター姿の男性がじっとこちら見つめていました。撮影が終わると、男性は隣の建物を指さして「映画が好きならうちの店でコーヒーでも飲めば? 写真ならいくらでもどうぞ」とのこと。それでは、とカフェレストラン「カルメロ」(Carmelo)へお邪魔します。前回ご紹介した「ホテル・ナショナル・デ・キューバ」のカフェに続く映画カフェです。ただし、店内は古いカメラと名作の場面写真が飾られただけれで、特別なメニューもありません。とはいえ、観光客向けでもない店でも映画をテーマにするとは、やはり映画好きなお国柄ですね。

「カルメロ」ではハムとチーズをたっぷり挟んだキューバン・サンドイッチをオーダー。街中の一般店やホテルのカフェ、空港などどこにでもあるが、微妙に味が違う(撮影:goo映画編集部)

 いいお天気の日にのんびり歩きと映画観光、そして地元グルメ。映画ファンなら旧市街よりこちらかも? 次回は「23通り」の後編、高い芸術性でマニアックな人気を誇るキューバの映画ポスター&『苺とチョコレート』のコンセプトカフェをご紹介します!

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