ツイート シェア

キューバにアメ車が走る理由とは? 映画ロケ地でめぐるキューバ・ハバナ②

米マフィアから各国要人まで!ホテルの存在自体が歴史

 『ゴッドファーザー PART II』はハリウッド映画のため、キューバのシーンはすべて他国で撮影されています。実際の「ホテル・ナショナル・デ・キューバ」を映画で見るなら、ハバナの1週間を7人の監督が撮影したオムニバス映画『セブン・デイズ・イン・ハバナ』(2012)がオススメ。パブロ・トラペロ監督パートの「ジャム・セッション」では、現地映画祭に招かれながらも家庭内トラブルでやさぐれ、泥酔したエミール・クストリッツァ監督(本人)が千鳥足でホテルを歩きます。

クストリッツァ監督がやさぐれて歩いた中庭。カメラは背後から追います(撮影:goo映画編集部)

 クストリッツァ監督の酔いっぷりに目を奪われがちですが、この中庭にはホテルが歩んだ「闘いの歴史」が刻まれています。普段はカリブ海を見下ろす絶景でも、位置的には北の本土防衛線。このため、バティスタによる1933年のクーデターでは実際の戦場に、革命後1962年の「キューバ危機」では作戦本部が置かれました。近年は2017年のハリケーン「イルマ」の被害も受け、猛烈な風雨で木は折れ館内は停電。「それでもホテルスタッフは一丸となって営業を続けた」と解説の看板が設置されています。

左/島国キューバにとっては北の本土防衛線にあたるため、大砲は海を向いています 右/ハリケーン「イルマ」の猛威を伝える看板と折れた木の残骸(撮影:goo映画編集部)

 『セブン・デイズ・イン・ハバナ』のベニチオ・デル・トロ監督パート「ユマ」では、米国人テディ(ジョシュ・ハッチャーソン)の滞在先として登場します。テディがクラブで誘った謎の美女、ホテルの深夜スタッフが彼女の身分証を確認したことで驚きの展開に。

上/美女が身分証提示を求められる場所。ふたりが乗り込むエレベーターは左手の先に(撮影:goo映画編集部)

 もちろんロケ地とあってベニチオ・デル・トロ監督はホテルを訪れており、ホテル内のレストラン「コメドール デ アギラ」(Comedor de Aguiar)の「有名人のお気に入りメニュー」一覧に入っています。このほか、フランシス・フォード・コッポラ監督やジョン・ウェイン、マーロン・ブランドなどなど、映画人も大勢。

「これでもか!」と掲げられた「有名人のお気に入りメニュー」はインパクト大(撮影:goo映画編集部)

 ケイト・モスやクイーンのメンバーといったいまをときめく系有名人から各国要人まで、実に幅広い層のVIPを受け入れています。

これまでホテルを訪れた他国要人の写真、脇にはゲバラ。要人の訪問時にはフィデル・カストロ氏との公式ディナーなどが開催された(撮影:goo映画編集部)

 また、カフェテリア「フィルム・コーナー」(Film Corner)は、その名の通り映画がテーマ。ラテンアメリカ映画祭の20周年を記念してオープンしたそうです。関連小物の展示やや店内モニタで映像上映など一般的な映画カフェですが、24時間営業はかなりポイントが高いでしょう。

ハバナにはこの手の「映画カフェ」が何軒かある(撮影:goo映画編集部)

 1930年12月オープンの老舗ホテルだけに、存在自体が歴史そのもの。「ハバナ会議」が開催された部屋などを回る館内ツアーも好評だそうですよ。また、ライブサロン「1930」では「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」にゆかりのあるメンバーが出演と、映画関連のネタは豊富。おまけに、ホテル周辺にも映画関連スポットが目白押しです。次回以降でご案内しましょう。

ホテル・ナショナル・デ・キューバ Hotel Nacional de Cuba WEB
住所 Calle 21 y O, Vedado, Plaza, La Habana

 次回はスコセッシとコッポラがほれ込んだミハイル・カラトーゾフ監督作『怒りのキューバ』、キューバ映画不朽の名作『苺とチョコレート』などでハバナをめぐります!

関連記事