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サンローランの幻想的な世界へ モロッコ・マラケシュを行く②

 モロッコのほぼ中心に位置し、北アフリカで最大の規模を誇るメディナ(旧市街)を持つマラケシュ。ヒッチコック監督の『知りすぎていた男』(1955)や『007 スペクター』(2015)、『ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション』(2015)など、多種多様なジャンルの映画に登場しています。

 世界の映画ロケ隊が訪れる赤い街 モロッコ・マラケシュを行く①はこちら

モロッコの装飾美を堪能できるスポット

 さて、フナ広場周辺以外の外せない観光スポットはどこか。まず訪れたいのは広場の東側の史跡地区です。ここにはモロッコの装飾美を堪能できる「モロッコ美術館」、“輝く宮殿”と呼ばれる、見事な装飾がほどこされた「バヒヤ宮殿」、綿密なモザイクが目を奪う「サアード朝墳墓群」があります。

16世紀初頭から1659年までモロッコを支配したシャリーフ系王朝「サアード朝」の墳墓群。サアド朝やサード朝、もしくはサーディー朝とも(写真:佐藤久理子)

 王宮近くにあるアーチの装飾が美しい「アグノウ門」から史跡地区に入った通りには、モロッコ名物のアルガン・オイルを使用した美容コスメ・ショップなどお土産に便利なお店が立ち並び、比較的洗練されたカフェやレストランもあります。

ムワッヒド朝時代に建造されたアグノウ門。目を奪われる美しさ(写真:佐藤久理子)

アルガン・オイルを使用した製品がならぶコスメショップや、おしゃれなレストランも。どこへ行っても色がきれいです(写真:佐藤久理子)

ぜひとも訪れたいイヴ サンローラン美術館

 もう一カ所、マラケシュに行ったらぜったいに訪れたいのが、2017年にできた 「Le Musée Yves Saint Laurent de Marrakech」(イヴ サンローラン マラケシュ美術館)です。デザイナーであるサンローランの生涯は近年、『イヴ・サンローラン』(2014)や『サンローラン』(2014)の伝記映画で描かれましたが、彼はマラケシュに魅せられ、この地に別荘を持ちました。その別荘の隣に建てられた美術館です。

2017年10月にオープンしたイヴ サンローラン美術館(写真:Nicolas Mathéus, 2017)

 マラケシュにインスパイアされて彼が作ったカラフルなコレクションは、とくにファッションに興味がなくても、その美しさに目を奪われるはず。有名なサファリジャケット、モンドリアンやゴッホらの絵にオマージュを捧げた画家シリーズ、「夢見たアフリカ」「幻想の旅」「庭」といったテーマの、50点あまりの作品やアクセサリーが展示されています。

館内に展示されたサンローランの作品の数々。あまりの美しさにため息がもれてしまいます(写真:Nicolas Mathéus, 2017)

 また彼のミューズであったカトリーヌ・ドヌーヴがサンローランの言葉を朗読した音声が会場に流れるほか、ドヌーヴが彼のコレクションを着て撮影した写真シリーズや、サンローランのデッサンもあります。

所蔵品のチョイスは生涯のパートナーだったピエール・ベルジェが担当(写真:Nicolas Mathéus, 2017)

 さらにテラスの付いたカフェも併設されているので、鑑賞し終わったらぜひここで優雅な休憩タイムをもうけて、サンローランの幻想的な世界の余韻に浸ることをお勧めします。

黄色いテーブルとイスが映えるテラス付きカフェ(写真:Nicolas Mathéus, 2017)

 お隣の「マジョレル庭園」と庭園内の「ベルベル博物館」もお忘れなく。ベルベル博物館では、北アフリカの最古の種族と言われるベルベル人たちの文化を、ファッションや装飾品のコレクションを通して学ぶことができます。

ベルベル博物館は庭園を造ったフランスの画家、ジャック・マジョレルのスタジオだった建物。鮮やかな青は「マジョレル・ブルー」と呼ばれています(写真:佐藤久理子)

 一方、サンローランも愛した、これぞオアシスと呼びたくなるような植物や花が咲き誇るマジョレル庭園では、つい時間が経つのも忘れてしまいそうです。サンローラン美術館を含むこの3つがセットになった共通チケットもあります。

サンローランとピエール・ベルジュは1980年に庭園を購入しました(写真:佐藤久理子)

 多彩な魅力に満ちた万華鏡のような都で、さまざまな映画を頭に浮かべながら旅情緒に浸るのも一興かもしれません。

マラケシュ国際映画祭 Festival Internazional du Film Marrkech WEB
毎年、12月に開催される、モロッコ国王によって2001年に設立された国際映画祭。マラケシュという街が持つ魅力や映画祭のホスピタリティ、欧州から3時間ほどといった場所柄から欧米から豪華ゲストが集結する。映画祭を訪れたゲストによる「マスタークラス」も人気。映画人を顕彰する「トリビュート」は華やかかつ注目の部門。

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