ツイート シェア

映画ファンの隠れ家! 人気脚本家・柏原寛司さん夫妻のカフェ「人形町三日月座」

三日月座はどのようにして誕生したのか?

 夫妻は、俳優の柴田恭兵らが所属する草野球チームの選手とマネージャーという立場で知り合い、今年で結婚26年目。ハードボイルドな作風で知られる寛司さんはジョン・ウェイン、スティーブ・マックィーン主演作、ジョン・フォード監督作などアクションものが大好き。一方の久美子さんはカメラと俳句が趣味。動と静。好きなものはまったく違うが、カフェのインテリアは、夫妻の互いの好きなものがそれぞれの領域で絶妙に共存している。

店主の柏原久美子さん(撮影:Avanti Press)

 カフェ開店のきっかけは「人形町で再び映画館の灯を灯したい」という熱い思いだった。寛司さんは人形町で江戸時代から続く4代目。小さい頃、人形町には7軒の映画館があったが、今はゼロ。そこで、ビルの地下を映画館にして、2階をロビーにしたいと考えた。

店内には映画の本やDVDも並ぶ(撮影:平辻哲也)

 ネットオークションで新古品の35ミリ映写機を見つけると迷わず購入。しかし、消防法の規制で、映画館営業の許可が降りないことが判明。そこで、地下は寛司さんの制作会社の試写室に、事務所だった2階はカフェに改装。「三日月」が大好きという久美子さんと、映画館と言えば「○○座」という寛司さんの思いが重なって、「人形町三日月座」が2009年9月にオープンした。

 「最初は『2階に自販機でも置くから、映画館の切符のもぎりでもやってくればいいから』という話でした。それくらいなら、と思っていたんですが、映画館がダメになったので、『ここでカフェでもやれば?』と言われたんです。でも、私は基本人見知りなので、客商売は合っていないと思うんですよね」と久美子さん。

サイフォンで淹れたコーヒーと麩レンチトースト(撮影:Avanti Press)

 看板メニューは、香り立つサイフォンコーヒーと、日本古来の「お麩」をフレンチトースト風に調理し、季節のフルーツとアイスクリームを添えた「麩レンチトースト」(450円)。味噌汁の具として、おなじみの「お麩」が見事に洋風に変身。ふわりとした食感がデザートとして楽しめる。コーヒーとの相性もバッチリだ。ランチタイムは周辺のOLのオアシス。ゆっくり読書をしながらカフェを楽しむ姿が見られる。

これぞ映画好きのロマン! 地下の試写室は貸切の映画館のよう

 地下の試写室にも特別に入らせていただいた。35ミリと16ミリの兼用映写機と35ミリ専用映写機が入った本格的なもの。ブルーレイ&DVD用のプロジェクターもある。座席数は25席(補助席合わせ30人収容)。

地下の試写室。貸出も行なっている(撮影:平辻哲也)

 自社作品の試写のほか、若手監督作品の試写、毎日映画コンクールの審査試写、かつては東京国際映画祭のチェック試写にも使われた。この日は「あいち国際女性映画祭2018」に出品されるドキュメンタリー映画『まわる映写機 めぐる人生』(森田惠子監督)の試写だった。

35ミリ映写機(撮影:Avanti Press)

「試写室の貸出は俺のスケジュールが空いている時だね。商売っ気はない。道楽だよ。地下は映画館ごっこ。好きな連中と映画を見るのは楽しいんだ。2階はカフェごっこ。お客さんが来たくても、そもそも営業時間は短いし、休みも多いから、会社勤めの人は難しいよね」と寛司さん。いやいや、これぞ、本格的な隠れ家カフェ! 月替りのポスターコレクションにも注目だ。映画好きなら、会社をサボってもぜひ! 寛司さんや映画関係者とも会えるかも。

人形町三日月座 TWITTER FACEBOOK
住所 東京都中央区日本橋人形町1-15-5 柏原ビル2階 電話 (03)3667-0423
営業時間 11:30~18:00  火・水(長期休業もあるので電話確認を)

関連記事