手塚治虫の“禁断の一作”として知られ、映像化不可能と言われてきた『MW−ムウ−』が遂に映画化。惨劇から奇跡的に生き残った2人の青年が、善と悪、宿命的な闘いに突き進んでいく。この作品でスタイリッシュなダークヒーローに扮する玉木宏が、自身のキャリアや共演した山田孝之について語ってくれた。

― 冷徹な犯罪を重ねていく役どころ。初の悪役をどのように演じようと思いましたか。
玉木宏(以下、玉木): 僕がずっとやりたい役柄でもあったので、楽しかったですね。悪役は、日常生活の中で経験できないこと。それをイメージして、リアルに見せるからこそ面白いし、やりがいがあると思います。
原作を読んで思ったのは、結城はすごく無機質な人間だということです。性別は男ですが、男でも女でもない、どこか機械的な存在。人間は心に思ったことが目に表れると言いますが、結城は目にすら表れない。何を考えているかわからない人間を目指して役作りをしていきました。歩き方や話し方もそうだし、瞬きもほとんどしないようにしました。
― 結城を演じる上で、参考にしたダークヒーローは?
玉木: それはいませんね。原作と台本を読んでイメージ像を作って、そこに僕が近づいていくだけなので。参考というわけではありませんが、原作を読んだとき、『ハンニバル・ライジング』に登場する若き日のレクターの映像がぱっと頭の中に浮かんできました。それで、クランクインする前にもう一回観返したんです。『羊たちの沈黙』もすごく衝撃的だったし、いまだに好きな作品です。

― 現地スタッフが参加したタイのロケで、日本との違いを感じることは。
玉木: タイの皆さんは体力があるしタフですね。「微笑みの国」というだけあって、どんな状況にも笑顔を忘れない。それを見ていると、こちらもすごく元気になりますね。
ハリウッド映画や日本映画をタイで撮影することが多くなってきていて、機材の導入が進んでいるんです。それに国が映画撮影に対して寛容で、道を封鎖して撮らせてくれました。機材や撮影環境については、日本よりも優れている部分もあると思います。







