ゼロの焦点 [2009年11月14日公開]
初めて観ました
清張作品は「点と線」、「蒼ざめた礼服」しか読んでいません。「ゼロの焦点」は映画、ドラマともに一度もみていません。 基本的にはミステリや推理には興味がなく、広末涼子と中谷美紀は好きではないので、専ら昭和三十年代のムードを目当てに見ました。そちらの方はまずまず楽しめましたが、映画の出来も意外に良かったと思います。この映画の肝は謎解きや犯人探し(半ば位である程度予想出来た)ではなく、いわば「時代の傷」(敗戦とその後の時代)を描きだすところにあったのではないでしょうか。憲一が禎子に「きみは若いね」と言ったのには、ほかの女と比べて、歳の差、などのほかに、その時代を知らない、経験していない、(= 無垢な)という意味が含まれていると思います。苦い過去を味わい、それを引きずりながらも、変わっていく時代の中でなんとか生まれ変わりたい(佐知子に至っては新しい時代を造ろうとさえしていた)と願う主な登場人物の中で、ただ禎子だけが新しい時代の女なのです。その彼女が憲一のことを知らないというのは、新しい世代がほんの十年も前のことを知らないという暗喩で、それが憲一の過去を知る過程を通じて時代の影を浮かび上がらせる、という形をとっているわけです。清張も戦後の混乱期の中で家族を抱え苦労を経験し、いろいろなものを目にしてきたと思われますが、「もはや戦後ではない」といわれたような時代において、「忘れてはいけないことがある」と示したかったのでしょうか。当然それは現在にも当てはまります。(私もいいオッサンですが、ある年齢までパンパンの意味を知りませんでした。) だからこの物語には解決も、勝者も敗者もありません。ここまで書いてくると、この映画の真のヒロイン(しかも悲劇の)が佐知子であることが見えてきます。そしてもう一人の自分である久子を殺したとき、自分自身をも殺したのです。
また、はじめの方で夫の帰りを待つ禎子がどこか近所で電話を借りてかけているらしい場面が見受けられましたが、これなどケータイが当たり前の若い世代にとっては注釈がなければわかりづらいところでしょうが、もはや古典ともいえるこの様な作品を鑑賞するには予備知識も必要なのでしょう。
オチの部分はもうひとひねり欲しかったです。
最後に、中谷美紀ちょっと見直しました。役者はやはり演じてナンボですね。
また、はじめの方で夫の帰りを待つ禎子がどこか近所で電話を借りてかけているらしい場面が見受けられましたが、これなどケータイが当たり前の若い世代にとっては注釈がなければわかりづらいところでしょうが、もはや古典ともいえるこの様な作品を鑑賞するには予備知識も必要なのでしょう。
オチの部分はもうひとひねり欲しかったです。
最後に、中谷美紀ちょっと見直しました。役者はやはり演じてナンボですね。
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